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堀、曲輪、馬出、竪堀…城とはパーツの集合体である! 城の個々のパーツに注目し、その成り立ちと機能、使い方を考察することで城の本質に迫る全く新しい城郭論!
パーツから考える戦国期城郭論
歴史・城
著者・編者 | 西股 総生 |
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発売日 | 2021年03月02日(火) |
定価 | ¥1,980(税込) |
ページ数 | 240ページ |
版型 | A5判 |
ISBN/JAN | 9784651200897 |
城のパーツ(構成要素)を徹底検証する、まったく新しい城郭論!
城はさまざまなパーツからできています。堀、曲輪(くるわ)、馬出(うまだし)、枡形虎口(ますがたこぐち)、竪堀(たてぼり)、土塁、横矢掛(よこやが)かり……これらのパーツそれぞれに、それが生まれた背景と理由があります。また、城は合戦において使用される実用のための施設・設備なので、それぞれのパーツに、実戦をへて洗練されてきた「使い方」があります。これらの個々のパーツがそれぞれに与えられた機能と役割を果たすことで、城という施設が全体として機能し、防御拠点としての役割を果たすのです。
本書はそうした城のパーツに注目し、それぞれの生まれた背景・理由から機能・運用法を徹底的に考察・解説し、その作業を通じて「城とはなにか」に迫ります。これまでになかった全く新しい城郭論です。
著者は、軍事的観点から戦国の城を考察する第一人者
著者は軍事的な視点を軸に戦国の城を考察されている西股総生(にしまたふさお)氏。これまでも『戦国の軍隊』『「城取り」の軍事学』『土の城指南』等、多数の本を出されてきた第一人者です。以下は本書の「まえがき」からの引用です。
「さまざまなパーツを効果的に組み合わせることによって、「敵を防ぐ」という目的を達成しようとしているのが城なのである。本書は、そうした戦国の城を構成する主なパーツを採り上げて、形態や機能について、実戦に即して具体的に掘り下げて考えてみる、という試みである。」
理解を助けるカラー口絵をはじめとるす210点の図版!
本書では、16頁のカラー口絵をはじめ、全210点の図版(イラスト、縄張図、運用概念図、写真等)を掲載しています。特に、個々のパーツがどう発展してきたか、そして、合戦においてどのように使用するのかを示した図は、とてもわかりやすく、本文の理解が深まると思います。
本文もとても読みやすい文章で、わかりやすく、城郭ファンだけでなく入門書としても楽しめる内容ですので、ぜひ手にとって見てください。
●本書の内容
〇カラー口絵
【第一章】堀—もっとも基本的な城の防禦装置
【第二章】土塁と切岸—一筋縄ではいかない基本パーツ
【第三章】竪堀—斜面に刻まれ、敵の横方向の動きを阻む
【第四章】馬出—虎口における二律背反の解決策
【第五章】枡形虎口—四角く囲まれた攻防の要
【第六章】横矢掛りと櫓台—戦国期城郭における火力運用の効率化
【第七章】曲輪—軍事施設を区画する意味
【第八章】天守—権威の象徴か、戦闘拠点か
【第九章】戦国の軍事力編成と城の変化—戦国大名の軍隊は兵種別編成だったのか
●著者略歴
西股総生(にしまたふさお)
1961年、北海道生まれ。学習院大学大学院史学専攻・博士課程前期課程卒業。三鷹市遺跡調査会、㈱武蔵文化財研究所を経て現在フリー・ライター。城館史料学会、中世城郭研究会、日本考古学協会会員。著書に『戦国の軍隊』(学研2012 年/角川ソフィア文庫 2017 年)、『「城取り」の軍事学』(学研2013 年/角川ソフィア文庫 2018年)、『杉山城の時代』(角川選書 2017 年)、『1 からわかる日本の城』(JBpressBOOKS 2020 年)などがある。このほか城郭、戦国史関係の雑誌記事、論考、調査報告書 を多数執筆。現在、川崎市在住
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