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さまざまな企業のSDGs活動

キッコーマン食品株式会社さま

【キッコーマン食品株式会社とSDGs】地球にも人にもとことん寄り添い、世界中においしさの和を広げたい。

キッコーマン食品株式会社さま

本企画では、株式会社ワン・パブリッシング(以下、ワンパブ)と関わりのある企業のサステナブルな取り組みについて、インタビューを通して紹介します。第12回は、キッコーマン食品株式会社です。

キッコーマンはしょうゆのトップブランドとして、江戸時代から日本の食文化の発展を支えてきた伝統ある企業です。現在は、しょうゆを始めとした調味料類や豆乳、そうざいの素など、人気の商品を多数製造・販売しています。そんなキッコーマンのミッションは、日本の健康的で素晴らしい食文化を世界に伝えること、そして地球や社会が抱える課題の解決に寄与すること。今回は、キッコーマン食品株式会社 プロダクト・マネジャー室 専用調味料グループの内田耕平さんに、キッコーマンの「サステナブルな取り組みと今後目指す姿」についてお話を伺いました。

<プロフィール>
キッコーマン食品株式会社 プロダクト・マネージャー室 専用調味料グループ 内田 耕平
2003年に入社。近畿支社、首都圏支社にて卸店、小売業への営業活動を経験。2017年に営業企画部に異動し、販促活動に従事。2020年より現職についている。

日本の健康的な食文化を世界へ広めたい

―はじめに、御社の成り立ちと、現在の事業内容を教えてください。

「キッコーマンは1917年に会社組織となった食品メーカーです。その歴史は、江戸時代からしょうゆやみりんを造っていた野田と流山のしょうゆ醸造家8家が合同で会社を立ち上げたところから始まりました。現在の国内での主な事業内容は、しょうゆを始めとした調味料類やそうざいの素、トマトジュースや豆乳などの飲料、ワインなどの酒類の製造・販売などです」

―長い歴史を持つ企業なのですね。現在特に注力されている事業や商品はありますか?

「キッコーマングループでは、2030年に目指す姿と戦略を『グローバルビジョン2030』として定めています。その目標の一つが、キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にすること。『キッコーマンしょうゆ』が各国の食文化に溶け込み、多くの人に日常的にご使用いただくことを目指しています。また、世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献することも、このビジョンで策定された目標の一つ。この目標の実現のために、最近、国内では大豆を50%配合した『大豆麺』シリーズを発売し、麺の新しい選択肢を提案しています。そして、忙しい日々でも手軽に健康的な食事を取るための提案として、電子レンジだけで簡単におかずが作れる『うちのごはん 肉おかずの素』シリーズと『うちのごはん ごちそうレンジの素』シリーズが『うちのごはん』ブランドに仲間入りしました」

20年近くの研究の末、導き出したムダのない資源の活用法

―では、御社のSDGsに関する取り組みについてお伺いします。ホームページを拝見したところ、環境に配慮した取り組みや、幅広い社会貢献活動に力を入れられている印象を受けました。具体的な取り組みをいくつか教えてください。

「容器包装に紙を多く使うキッコーマンは、その使用量削減と使用する紙の品質向上に取り組んでいます。例えば、『キッコーマン豆乳』の容器には、FSC認証 (※1) を所得した紙を使用しています。付属のストローとキャップも、順次 (※2)サトウキビを原料とした植物由来のバイオマスプラスチックに変更中です。また、しょうゆの製造過程で出てしまう搾り粕の再利用にも取り組んでいます。キッコーマンでは、2004年からしょうゆ粕の飼料としての有用性について研究してきました。しょうゆ粕は、大豆由来の脂肪分、ビタミンEやビタミンK₁、イソフラボン類(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン)などの機能性成分を多く含んでおり、栄養がたっぷり。牛・豚・鶏用飼料に適していることが明らかとなったため、しょうゆ粕のほぼ全量を、飼料業者を通して畜産農家に提供しています」

(※1) FSC認証紙は、環境や地域社会に配慮して適正管理された森林木材による製品であることが証明された紙。
(※2) ストローは2023年度中に、キャップは2024年度中に切り替える予定。

―しょうゆ粕が飼料になるということは初めて知りました。先程いただいたお名刺も、しょうゆの搾り粕を使用した紙でできているのですね! 

「そうなんです。先程もお話ししたように、しょうゆ粕は牛や豚などの飼料としての活用が主ですが、しょうゆの搾り粕をすき込んだ紙で社員の名刺を作るなど、さらなる活用の可能性を模索中です」

前向きな気持ちで余った食材を活用して欲しい、という思いから生まれた「あまりんズ」

―ホームページを拝見し、御社のサステナブルな活動の中でも「おトクはっけん冷蔵庫 みつけて!あまりんズ」が特に印象的でした。この取り組みについて教えてください。

「『おトクはっけん冷蔵庫 みつけて!あまりんズ』(以下、『あまりんズ』)は、ゲーム感覚で楽しめる仕様のコンテンツです。具体的には、冷蔵庫で余っている食材を見つけてコレクションしていくというもの。集めていく食材ひとつひとつのキャラ設定もチームメンバーみんなで考えました。見ていてワクワクするようなビジュアルにもこだわっています。例えば、たまごは『ギリギリエッグ』と名付け、賞味期限ギリギリを攻めていることが伝わるようなやんちゃな見た目にしています。そんな個性豊かな食材たちを見つけると、その食材に関連するレシピページに進むことができるんですね。レシピページは、弊社で長年蓄積してきたレシピも活用し、充実感を持たせることを意識しています」

―なるほど。では、「あまりんズ」はどのような経緯で生まれたのでしょうか?

「私はキッコーマン食品株式会社のプロダクト・マネジャー室という組織に所属しているのですが、2021年に同部署内でSDGs戦略チームが発足しました。私もメイン業務の傍ら、このチームにも所属することになったんですよね。チームの主な活動は、キッコーマンが環境保全や社会課題の解決に向けてどのようなことができるのか、施策を考え、実行すること。その中で立ち上がった企画が『あまりんズ』でした。まずフードロスの削減に焦点を絞り、チームメンバーでアイデアを出し合うことで企画を具体化させていきました。フードロスの削減は、キッコーマングループが掲げている目標の一つでもありますし、食品メーカーとして向き合わなければならない課題だと思っています」

―なるほど。まず、「フードロスの削減」を目標として定め、そこから施策を具体化していったのですね。

「その通りです。食品メーカーとして、商品の製造や流通の過程で出てしまうロスを減らすことはもちろんなのですが、ご家庭でのフードロスを削減するお手伝いがしたいと考えました。実は、食品の廃棄の半分は家庭で起きてしまっているんですね。とはいえ、購入した食材をすべてきれいに使い切ることはなかなか難しい。多くの人は、食材を無駄にしてしまったときに自分を責めてしまうと思うんです。そこで私たちは、『余っている食材を活用したい!』と前向きに感じてもらえるようなコンテンツを作り、食材の廃棄を減らすことに繋げたいと考えました」

―「あまりんズ」は、小さい子どもでも楽しめそうだと感じました。メインターゲットはファミリー層なのでしょうか?

「そうですね。親子で楽しみながら活用してもらえたらいいなと考えています。親の視点では、無駄なく食材を使い切ることで、食費の節約につながります。子どもの視点では、フードロスという課題を楽しく自分ごと化してもらえたら嬉しいです。さらには、冷蔵庫に余っている食材を親子で一緒に探して、レシピページからその日の献立を決めるという一連の流れを体験することで、子どもたちが、「自分で選んだのだから苦手な食材も食べてみよう」と思ってくれたら嬉しいですね。もちろんファミリー層以外の人にも、ちょっとした息抜きがてらに活用してもらえたらと思います」

―最後に、今後の目標を教えてください。

「グループとしては、冒頭にもお話をした『グローバルビジョン2030』の実現に向けて取り組むこと。人々のより豊かで健康的な食生活に貢献するため、これからも工夫とこだわりが詰まった商品を開発し続けたいと思っています。SDGs戦略チームとしては、消費者に寄り添ったソリューションを提供していくことを目指します。忙しい毎日に、健康的でバランスの良い食事を取ることはかなり大変だと思うんですよね。栄養バランスが偏ったり、ジャンキーなものを食べてしまったり、逆に食事を抜いてしまうような日が、誰にだってあると思います。私たちはそれを否定するのではなく、「そんなこともあるよね」と寄り添いたい。消費者と同じ視点に立って、食品メーカーとして届けられるものをこれからも模索し続けたいと思っています。国内外問わず、1人でも多くの人の健康的な食生活を支えることができれば、それ以上のことはないですね」

―本日のお話を通して、消費者に寄り添うことを大切にしている企業なのだと感じました。ありがとうございました!

企業情報

キッコーマングループは、国内では、しょうゆ・食品・飲料・酒類の製造販売事業、海外ではしょうゆ等の製造販売事業・東洋食品等の卸売事業を展開する。
将来ビジョンの「グローバルビジョン2030」では3つの目指す姿を定め、価値ある商品やサービスを提供するとともに積極的に社会的な責任を果たすことを目指す。
1. キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする
2. 世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献する
3. キッコーマンらしい活動を通じて、地球社会における存在意義をさらに高めていく